現在、ファッション業界では、SDGsやサスティナブルな取り組みが積極的に行われ、リサイクルやリユース、寄付など不良在庫を活かす行動が注目されています。
その背景には、売れ残った在庫が毎年のように大量に廃棄されているということが大きな理由としてあります。
今回は、近鉄百貨店が実施している「E〜COTO(イイコト)」活動の「活かす服」を中心にご紹介していきます。
アパレル業界では、基本的に流行や売れ筋、戦略をベースに服を生産することがほとんどかと思います。
「売れ筋だから今回も売れるだろう」「今季はこれが流行りだから売れるだろう」という予測と、
「今季のブランドテーマは〇〇だから、流行関係なく提案する必要性がある」という戦略で商品計画を立てます。
しかし、「思ったほど売れなかった」「流行遅れ・納期遅れで売れなかった」「予測が外れてまったく売れなかった」といった理由で在庫が残るケースは日常です。
売れ残った在庫はセールするか廃棄・焼却することとなり、また次の新商品が入荷される流れとなります。
アパレル業界では、最新の流行をどんどん取り入れていかなければいけないため、古い在庫に意識がいかなくなってしまいがちです。
とくに、生産に直接関わる人は、売れ残ったら廃棄で終わりではなく衣類を廃棄することによって起こりうる問題に理解を深める必要があります。
また、とても怖いのは、アパレル産業はもう何十年も前から廃棄を見込んで生産しているという背景です。
つまり、廃棄する分も考えて発注するということがアパレル業界では行われています。
まとまった量を発注しなければコストダウンや生産を受けてくれないことがあるからです。
組織としてこの体制が改善されなければ服の廃棄・焼却は減りません。
この状況から、アパレル在庫は全生産量の約50%が廃棄されているといわれ、世界では年間で廃棄される衣類の量は9,200万トンにものぼるそうです。
着数でいうと約3,000億着の新品在庫が捨てられているといいます。
https://www.borderless-japan.com/academy/entrepreneur/57549/
この廃棄量のうち、リサイクルやリユースに利用されているのはごくわずかですが、
数年前からアパレル業界はじめさまざまな業界で廃棄ロスをなくす取り組みが行われるようになりました。
近鉄百貨店でも「E〜COTO(イイコト)」活動における「次に活かす服」を通して衣料品のリユース活動に取り組み、TASUKEAI 0 PROJECTを介して海外に寄付をしています。
近鉄百貨店で実施している「E〜COTO(イイコト)」活動は、「次に活かす服」「エコ活 アイデア募集」「HAPIECO隊」「もったいない フードロス対策」「エコ関連 商品・サービス」の5つの取り組みを行っています。
「みんなで・楽しく・できることから始めよう」をテーマに地球にいいこと(イイコト)を始めていく活動です。
ここでは、近鉄百貨店の「E〜COTO(イイコト)」の「次に活かす服」についてご紹介します。
https://www.d-kintetsu.co.jp/store/promo/hapieco/
自宅で着なくなった服やクローゼットの奥で眠っている服を近鉄百貨店の各店所定の場所(各店ギフトサロン)で引き取ってもらい、当団体が主催するボランティアプロジェクト「TASUKEAI 0 PROJECT」を通して、東南アジアの孤児院や養護学校に寄付しました。
期間やお一人様の持ち込みの点数、対象外品(著しく汚れたもの、下着靴下類など)を決め、期間限定での引き取りを行いました。
たとえば、近鉄百貨店のように、ユーザーとTASUKEAI 0 PROJECTの中間的役割をすることで自社の在庫に加えユーザーの不要な衣類も寄付することが可能となります。
また、ユーザーの不要な衣類を受け取ったら、「ありがとう」の気持ちとして次回から使えるクーポンを配布するというのもおすすめです。
支援活動をしながら次回の来店につなげることができます。
企業もユーザーも、支援を受ける側も、みんなが喜ぶ支援活動もTASUKEAI 0 PROJECTにおまかせください。
売れ残った在庫はすぐに廃棄せずに在庫買取で寄付をすることに意識を向けるだけで、たくさんの困っている人を助けることにつながります。
生産における資源調達などのエコに関してはまだ難しいという企業様は、残った在庫を寄付することから始めてみませんか?